最大340mJ 超小型 パルスYAGレーザー
1064nm532nm355nm266nm213nm- 非常に小型でかつ頑丈なレーザーヘッド
- 最大パルスエネルギー340mJまでラインナップ
- 2倍波(532nm)、3倍波(355nm)、4倍波(266nm)、5倍波(213nm)発振可能
- モジュール型倍波ユニットで簡単取付け/取外し
- 長いランプ寿命
- 電動アッテネーターオプション
- 完全循環式水冷
製品概要
Nanoシリーズ概要
Nano シリーズレーザーシステムは、英国Litron Lasers社製フラッシュランプ励起Nd:YAGレーザーシステムの中で最もコンパクトなシリーズです。
発振波長は1064nm、532nm、355nm、266nm、213nmまでラインナップしており、波長変換ユニット(SHG、THG、FHG等)は取付/取外しが可能なモジュール設計になっているため容易に発振波長を切り替えることが可能です。
レーザーヘッドは片手で持てる小型サイズながら堅牢なモノリシック共振器設計でデザインされ、安定したミラーマウント、密接に結合されたセラミックリフレクターを備えたステンレススチールポンピングチャンバー、 独自の長寿命フラッシュランプにより均質で安定した出力が得られます。産業用途でも使用が出来るようIGBT電源を用いており、フラッシュランプの寿命を1億ショット程度のランプ寿命まで延ばす効率のよい設計となっています。
業界標準のTTLインターフェースにより、フラッシュランプとQスイッチの両方を外部制御可能です。全てのNanoシリーズレーザーはレーザー電源内に冷却ユニットを内蔵(完全循環式水冷設計)しており、2次冷却器などは必要ありません。フルインターロック機能を有しているため、セットアップ時やレーザー運用の時の不具合診断を容易に行えます。その他システムコントロールでは、付属のシステムリモートコントローラーまたはRS232からアクセスできるため装置に組み込んだ場合でも容易に操作を行うことが可能です。
以下のように、パルスエネルギー、繰り返し周波数や共振器タイプの違いによって、5つのシリーズに分けられています。
シリーズ名 | パルスエネルギー@1064nm | 繰返し周波数 | 特徴 |
Nano S シリーズ | 最大130mJ | 最大50Hz | 安定型共振器タイプ コンパクトモデル |
Nano SG シリーズ | 最大150mJ | 最大30Hz | ガウシアン共振器タイプ 高ビーム品質 M2<2 |
Nano L シリーズ | 最大340mJ | 最大100Hz | 安定型共振器タイプ |
Nano LG シリーズ | 最大300mJ | 最大50Hz | ガウシアン共振器タイプ 高ビーム品質 M2<2 |
Nano T シリーズ | 最大290mJ | 最大50Hz | テレスコピック 安定型共振器タイプ ビーム拡がり角 <0.8mrad |
共振器タイプ毎の特徴、TEM00オプションについて
安定型共振器:NanoSシリーズ、NanoLシリーズ
安定型共振器はフラッシュランプ励起Nd:YAGレーザーシステムの中で最も多く使用されている共振器デザインです。M2値はマルチモードですが、発振エネルギー効率が優れており様々な繰返し周波数設定でも安定したパルス性能(パルスエネルギー、ビーム品質等)でお使い頂けます。レーザービームはフラットトップに近い形状をしています。
ガウシアン共振器:NanoSGシリーズ、NanoLGシリーズ
ガウシアン共振器はGraded Reflectivity Mirror(GRM)を共振器内に使用している共振器デザインです。Graded Reflectivity Mirrorの中心部の共振光を発振する設計のため優れたビーム品質(M2値<2)と低ビーム拡がり角を実現しており、特にレーザービームをより集光する用途に適しています。ただし、フラッシュランプを一定の繰返し周波数で駆動させる必要があるため、レーザーパルスの発振周波数の柔軟性が安定型共振器より劣ります。この為、ガウシアン共振器は不安定型共振器とも呼ばれています。
テレスコピック安定型共振器:NanoTシリーズ
テレスコピック安定型共振器は安定型共振器内にテレスコープを内蔵することで、低いビーム拡がり角を実現する共振器デザインです。ビーム品質はM2値:3~4程度でガウシアン共振器よりM2値は劣りますが、発振エネルギー効率が優秀な為テレスコープの調整をする程度で様々な繰返し周波数でも安定したビーム性能でお使い頂けます。
安定型TEM00共振器:NanoSシリーズ、NanoLシリーズをベース
安定型TEM00共振器は、安定型共振器内にアパチャー(TEM00オプション)を内蔵することでM2<~1.2を実現する共振器デザインです。高いビーム品質、M2値を得られる反面、発振パルスエネルギーが低くなります。(NanoS130-10モデルの場合、安定型共振器モデルでは130mJ@1064nmですが、TEM00オプション使用時は10mJ@1064nmになります。)
安定型共振器ベースの為、様々な繰返し周波数設定でも比較的安定したパルス性能(パルスエネルギー、ビーム品質等)でお使い頂けます。
テレスコピック安定型TEM00共振器:NanoTシリーズをベース
テレスコピック安定型TEM00共振器は、安定型TEM00共振器内にテレスコープを内蔵することでM2値<~1.2を実現する共振器デザインです。必要な発振パルスエネルギーとM2値のバランスをご相談しながら、アパチャー径の設定が可能です。安定型共振器ベースの為、様々な繰返し周波数設定でも比較的安定したパルス性能(パルスエネルギー、ビーム品質等)でお使い頂けます。
性能比較表
Nanoシリーズ | A社 | B社 | |
共振器タイプ | 安定型共振器 ガウシアン共振器 テレスコピック共振器 |
安定型共振器 ガウシアン共振器 |
安定型共振器 |
波長ラインナップ | 1064nm/532nm/355nm/266nm/213nm | 1064nm/532nm/355nm/266nm | 1064nm/532nm/355nm/266nm/213nm |
パルスエネルギー@1064nm | 最大340mJ | 最大400mJ | 最大400mJ |
パルス安定性@1064nm | +/-2%(0.6%rms) | +/-2%(0.6%rms) | 0.7%rms |
繰返し周波数 | 最大100Hz | 最大30Hz | 最大20Hz |
ランプ寿命 | 5000万ショット | 5000万ショット | 2000万ショット |
より高いパルスエネルギー/繰返し周波数発振モデルをお探しの場合はTRLiシリーズ(最大850mJ)、LPYシリーズ(最大3.5J)やLPY10Jシリーズ(最大10J)をご覧ください。
非常に頑丈、堅牢なNanoシリーズの耐衝撃性能の動画をご覧ください。